「書く仕事」がしたい? 『書く仕事がしたい』佐藤友美
読んで気づいたショック『書く仕事がしたい』には、いかに「書く」ことを「仕事」にし、続けていくかのエッセンスがぎゅっと詰まっている。...
View Article2021年の7冊
今年はあんまり新刊本を読めなかった。古い本も多いけど、今年読んで面白かった本(一部雑誌収録)のメモをはっておきます。※ブログで感想書いたのはのけました。・『ヒロインズ』ケイト・ザンブレノ(西山敦子訳)3月くらいに読んだ。何書いたらいいかわからなくなってて、結局自分は自分の人生を元に何か書きたいのはわかったけど、そんなの読む人いるのかしらと思って時期だったので、すごい元気が出た。この一文読んで、もう自...
View Article2022年1月の読書記録
全部じゃないけど、今年から読んでよかったものはなるべく感想あげていくことにした。制作日誌をつけているこけし日報に載せたものもある。アリ・スミス『冬』ここ2年くらい、自分の状況がしんどくて、他人への想像力を持つ余裕がなかったけど、やっぱこういう物語読むと心があたたかくなっていいなと思った。エマ・ドナヒュー『星のせいにして』第一次大戦下のスペイン風邪が流行するアイルランドを舞台にした小説で、カナダのエマ...
View Article2022年2月の読書記録
全部じゃないけど、今年から読んでよかったものはなるべく感想あげていくことにした。制作日誌をつけているこけし日報に載せたものもある。小松原織香『当事者は嘘をつく』小松原さんはずっとブログを読んでいて、本が出ると知ってすぐに買った。性暴力被害にあったことから「当事者」となり、そこから修復的司法の研究をして「研究者」になるまでのエッセイ的な読み物。タイトルや帯だけ見ると重くて読むのが苦しくなりそうだと思っ...
View Article2022年3月の読書記録
『限界から始める』鈴木涼美さんはデビューしたとき、なんか苦手だった。何が苦手かわからなかったのだが、この文章を読んでよくわかった。稼いだお金を払ってまでセックスしたがる男に対して、同じ行為をお金をもらってする自分、セックスを大切に保管している女性に対して、それを粗末に扱える自分は、優越感を持っていられます。(P117)私は大事にしている方の人間だったので、鈴木さんのあの軽やかな文体を読むたびに「あん...
View Article選挙に行くのがだるくても
カナダに住んでいたとき、首相選挙があって私は選挙権がないので投票できませんでした。私はそれまで選挙権があるのが当たり前だったので、もしかしたら自分の周りにも選挙権がない人がいるのかもしれないということを考えたことがありませんでした。選挙の話題となるとき、選挙権があるのが当然、投票できて当然、というスタンスで語ってしまいがちです。でも、カナダでの経験から、もしかしたら周囲には外国籍で選挙権がない人がい...
View Article人の信仰について
自分は日本人だからお葬式を仏教でして、正月は神社に行って、人生の節目にお宮参りや七五三を当たり前に行く、というのが当然だと思っていた。しかし、公言していないだけで、何かしらの信仰をもっている人や宗教2世という人は意外と多いことに気づいた。正直自分はこれまで、宗教に関して無神経な発言を多くしてきた。新興宗教=狂信的な集団というような偏見がどこかにあった。やはり、95年のオウム事件の影響が大きかったせい...
View Articleアンラーン
この間『鎌倉殿の13人』を見ていたら、鎌倉幕府の行政機構って、政所と侍所とあとなんやっけ?ってなってすごいショックだった。あんなに受験勉強したのに!一応地歴の高校免許もとったのに!(答えは問注所)日本語教師の研修で、一度身につけた知識がもつ期限は4年(5年だったかも)だから常に学び続けないといけないって言われたのを思い出した。日本史なんてよく考えたら20代後半までやってた問題集の仕事して以来ほとんど...
View Article2022年の8冊
毎年恒例の今年の○冊。(順不同)本当は毎月読書記録をつけたかったけど、忙しくて4月でストップしてしまった。あとでまとめ直すかも。今年はあんまり新刊とか人文書を読まなかった。※書評で取り上げた本、自主制作流通系の本は除きます。『おっぱいとトラクター』マリーナ・レヴィツカ 著・ 青木 純子...
View Articleやってみたいことリスト100
前からやってみたかった「一生のうちにやってみたいことリスト100」を作ってみた。ほとんど〜に行きたい、見たいになってしまったけど、それでもいいかと思った。今年は何個実現できるだろうか。三仏寺投入堂に行くさざえ堂に行く自分で自分の服を作る自分で自分のセーターを編む平家物語を読む原爆の絵を生で見る太平記を読む吉野に行く日野に行く五稜郭を見る流氷を見るKinki...
View Article卑屈の芽はどこから出てくるのか
私の今年の目標は好きなものから食べると卑屈にならないだ。好きなものから食べるというのは、私の夫は好きなものから食べるタイプで、やりたいことからやっていって、やらないことは全然やらないというタイプで、屈託がない。一方の私は自分が嫌なことでもいつか好きになるかもとかやってるうちに上手になるかもと我慢した結果ものすごく鬱屈して爆発するタイプなので、そういう行動パターンをやめたいと思ったからだ。自分も普段の...
View Article孤独は制作の最良の友
先日このエッセイが公開されたが、書ききれなかったことがあった。作家に「タレント性」が必要かについてだ。www.e-aidem.comこのエッセイでは、編集者になりたいけど自分には初対面の人とすぐ打ち解けられるようなコミュ力がないのではないかという恐れから、自分を変えなければと思い続けて疲弊した話を書いた。「タレント性」については、本を出してから、本を売る段になると容姿や雰囲気といった人の目を引き付け...
View Article高井ゆと里さんの出版イベントについてのブログを読んで思ったこと
yutorispace.hatenablog.com高井ゆと里さんの出版イベントについてのブログを読んだ。私も本を出したあと何回か出版イベントをやったことがある。やるうちに結構モヤモヤすることが多くなってきた。その理由について今までうまく言えなかったけど、このブログの「2.謝礼について」と「7.書き手と話し手について」を読んで、今までモヤモヤがすごく整理できた。「2.謝礼について」は特に追加で言うこ...
View Article2023年1月の読書記録
『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズ(友廣純訳)前に読んだ『エデュケーション』(父親がサバイバリスト(終末論者)で学校に通わせてもらえなくて自力で大学に行ったアメリカの女性の自伝)とかこの間見た『罪の声』とかぶるところがあった。制度とか社会の間に落ち込んでしまってそこから抜け出せなくなってしまった人が声を上げることができなかったり、上げても聞いてもらえなかったりするが、聞いてもらうには事件...
View Article2023年2月の読書記録
萩尾望都『思い出を切りぬくとき』kokeshiwabuki.hatenablog.comこのブログでも書いたけど、ずいぶん思い切りのいい人という印象だった。文章がうまくて、めちゃくちゃ面白かった。『ポーの一族...
View Article人生に損も得もない
尹雄大さんの講座に行った。3月4日|尹 雄大「離れない記憶、手放したい思い」文筆家・尹 雄大さんの「記憶」を主題とした講座のご案内です。座学と実技を交えながら、自身の“記憶“に立ち止まり、また他者の記憶に触れ、それらを否定することなく、隠れた記憶や意図を明らかにしていきます。https://t.co/b7KCbesq9jpic.twitter.com/MFhuGFKrkq— 恵文社一乗寺店 |...
View Article人間は変わらない
人間はすぐに変わらない劇的に変わらない明日からダイエット明日から禁煙明日から朝活なんでもかんでも明日からそうやって生まれ変わった気になってるけど生まれ変わらない人間は変わらない劇的には変わらない同じ失敗を繰り返す何度も何度もそれでも生まれ変わった気になってと自分に言い聞かせてそうやって何度もしてきた失敗を乗り越える醜さ情けなさ功名心傲慢さ嫉妬深さ沸き起こる感情を明日からは生まれ変わって人にやさしくは...
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