『恋とか夢とかてんてんてん』を読んで、最初は痛すぎて直視できなかったんだけど、読んでしばらく経ってみて、執着ってしない方がいいんだなって思った。
まんがだと、主人公のカイちゃんって不器用で一生懸命に見えるけど、実際にいたらちょっと怖いなって思っちゃった。
自分もカイちゃんぽい部分があるなって気づいて、ちょっと引いちゃった。
私は恋愛じゃなくて、本の活動でだけど。
執着するとロクなことがない。
ある人が気になってSNSを追いかけちゃうとか、ファンになって祀り上げるとか、アンチになって一挙手一投足が気に入らないとか、要はぜんぶ執着と同じ。
外から人の発信だけ見て、影響されたり、勝手にイライラしたり、気持ちがグラグラしたり。
そういうのはロクな結果にならない。
執着を捨てるには、すごく近づくか、距離を取るかのどっちかしか方法がない。
執着って、対象の自分が見たいところだけ見て、そこだけにフォーカスしてるときに起きやすい。
だから、自分に都合の悪い情報を得ないと執着が捨てられない。
そのためには、対象にすごく近づいて粗を探すか、対象が見えないところまで距離を取るかになる。
カイちゃんは社員食堂で勤めていて、その会社に勤めている人を好きになって、片思いしていた。けど、彼のSNSアカウントで大阪転勤になることを知り、大阪まで追いかけていって、実際に会うところまでこぎつける。せっかく会えてうれしいはずなのに、だんだん会ううちに彼の粗が見えてくる。
それでもカイちゃんは、自分に都合のいい情報ばっかり得ようとするんだけど、だんだん現実と脳内のドリームが一致しなくなってくる。
そういう、自分の都合のいいドリームだけ見て執着しちゃう感じの痛さと怖さを直視させられて、読んでいて落ち込んじゃった。
執着から離れるには、行動するしかない。
ストーカーになるとか、そういう意味じゃなくて。
ほんとは絵描きになりたかったカイちゃんが、つまらない日常の中で見出した楽しみのが片思いのドキドキだとしたら、カイちゃんが追いかけるのは、彼じゃなくて絵の方なんだろう。
そう思うと、執着って代償行為なんだなって思う。
具体的には書かないんだけど、
これまで自分は、自分が憧れているものに執着する傾向があった。
でもそれを認めたくないからその対象に対してちょっとアンチな感じになってた。
イライラするなら離れたらいいのに、わざわざ近づいたり、見に行ったりしてしまう。
そうすると、余計にドリームとの齟齬が見えて、自分には無理だってイライラしてしまう。
例えば、私が英語を話せる人に憧れているとしたら、英検1級取得した人のアカウントを毎日のように見に行って、その人の発信する勉強法やオススメの参考書に、いちいち文句つけている感じ。
そんなことするなら、英語の勉強をさっさとやればいいのに。
カイちゃんを見ていると、昔の自分の本当にしたいことに目をつぶって、
全然見当違いのところで右往左往していたことを思い出して、
過去を消去したい気分になって、「わ~っ」て叫びだしたくなる。
や、もうその時間も惜しいわ。
「執着しちゃうんです」ってウジウジやってる暇あったら、
とりあえずやれよ。
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執着しない
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