前回の記事の続きです。
英語環境の職場で半年働いた感想です。
1)英語のレベル
2)英語以外でできること
3)ボス、同僚とのコミュニケーション
4)お客さんとのコミュニケーション
に分けて紹介します。
1)英語のレベル
職場によると思いますが、単純労働であれば、
バンクーバーではネイティブレベルは求められていないと思います。
なぜなら、従業員もお客さんも移民が多いので、ネイティブらしく話すことよりも、
分かりやすいこと、伝わることの方が大事だからです。
・5w1hで質問できる
・同僚、従業員に質問できる、助けを求められる
・会話のテンポ、リズムがキープできるスピードで話せる
あたりができればいいと思います。
話すことよりも、聞き取りの方が重要だと感じるシーンが多いです。
質問や言われたことを聞き取れることと、それを自分が理解しているかしていないか判断できることが重要です。
シアトルのパイクプレイスマーケット。夏はグースベリー、キュラント、ブラックベリーの季節。生食、ジャムにしたりして食べる
2)英語以外でできること
英語の出来不出来も大事ですが、それ以外に意識しておいた方がいいこともあります。
・仕事を覚える
・あいさつ
・笑顔
・声の大きさ
まあ日本と一緒ですね。
・仕事を覚える
仕事に関しては、覚えないとかミスが多いと割とすぐにクビにされます。
最初覚えが悪くて、この1週間でできないと辞めてもらうからって言われたことがありました。
・あいさつ、笑顔
お客さんとも、同僚とも、一言目があいさつです。
日本では礼儀ただしさという意味であいさつが重用視されるますが、バンクーバーだとフレンドリーさで親切心を示すという感じで、あいさつが大事にされていると感じます。
日本のレジだと早さと丁寧さが求められますが、それは二の次で、どちらかというと親しさをどの程度示せるかが大事にされているように感じます。
わたしは二つのことを同時にやるのが大変不得手なので、
レジうちと商品を袋に詰めるのは、無言でやっています。
なので、無愛想にならないように、
最初のあいさつと、目があったときに反射的に笑うように心がけています。
・声の大きさ
声の大きさは大事です。
バンクーバーにいて感じるのは、こちらの人は体格がいいせいでしょうか。
声が大きい人、響く人が多いと感じます。
なので、余計にもごもごしたしゃべり方や小さい声は聞き取りにくいと感じます。
英語が通じにくいと感じている人は、発音、イントネーションの前に、声の大きさにも気をつけてみてください。
UBCファームのファーマーズマーケット。黄色に、赤に、チャードがカラフル
3)ボス、同僚とのコミュニケーション
職場でうまくやるコツは、店や従業員構成によって違うと思います。
特に印象に残ったことを紹介します。
・遅刻
日本だと1分でもおくれると「迷惑だから」と、割と細かく注意されます。
2、3分くらいだと、「まあ2、3分だし大丈夫だよ」という感じで、大目に見る雰囲気があるように感じます。注意されても、「まあ2、3分だよ」っていうのを、ふつうに言い返しているのも、日本にはない感じだなーと思います。
・休憩
読書、ケータイ、外出等みんな好きなことをしていて、きっちり休むという感じです。店の電話に出たり、お客さんの対応を求められても、「休憩中だから」と断ったりしているので、オンとオフがきっちりしてる感じがします。
・休みの取り方
これも店によりますが、取りたい人には取らせてくれるという感じ。
その後のシフトに影響が出たり(大幅に減らされるとかめちゃくちゃ入れられるとか)、周りから何か言われるということはなかったです。
・つきあい
従業員は若い人は学生、主婦、フルタイムで長期で続けている人という構成です。
若い人同士は飲みにいったり食べにいったりということもあるようです。
休憩時間をバラバラにとる、仕事は持ち場が決まっていて、一人が一つの持ち場を担当するという形式なので、特に雑談をする機会もありません。顔を合わせてちょっと話す程度。なので、あまりお互いのことを深く知りません。
休みやすいし、従業員同士とくに綿密なコミュニケーションが求められていなくて、仕事さえしていたら特に干渉されることはないのでとても働きやすいと感じました。
職業、年齢、国籍等従業員のバックグラウンドはバラバラです。
例えばわたしは英語が苦手ですが、言われたことはやるとか、レジが早いというのがあります。一方エジプトからきたBさんは遅刻が多くレジも遅いですが、英語と中国語がしゃべれるので重宝されています。
英語環境の職場で働くからといって、英語がいちばん重視されるかっていうとそうでもないんですよね。むしろ、それぞれの長所を活かしつつ、でこぼこを皆でおぎないあっているというような印象をもちました。
だから、逆に英語が苦手と思っている人は、
他で人に負けないところを作るといいと思います。
長野や北海道ではよく見るルバーブ。ジャムにしたりパイに入れて食べる
4)お客さんとのコミュニケーション
わたしはキャッシャーなのでレジうちがおもな仕事です。
レジは商品にバーコードがついていなくて、商品に割り振られたコードを打ち込んでいくという形式なので、結構集中力がいります。
(詳しくは『仕事文脈 vol.8』に書きました)
・スモールトーク
レジは、最初にあいさつして、スモールトーク(ちょっとした会話をする)をするのが一連の流れです。
最初のころ、何をしゃべったらいいかと副店長に聞いたら、天気の話でいいよ、と言われました。こういうところは日本の雑談とかと変わりませんね。
・商品知識
日本と違うなと思ったのはお客さんが商品について質問してくるところです。
なので、新商品が入ったらできるだけ味見をして、説明できるようにしています。
また、旬の季節を覚えることや、バンクーバーならではの野菜、バンクーバーの人がふだんの食事で使う野菜(アニス、コーラビ、ルバーブ、ハーブ類など見たことない、見分けのつかない野菜がわんさか・・・)や、中国のお客さんが多いので中国野菜を覚えることが最初は苦労しました。
・日本語
バンクーバーでは日本人が多いし、日本語を習っていた人、英語を教えたことがある人、日本に行ったことがある人に会うことが多いです。結構日本人ということで親近感をもたれて話しかけられたりします。日本語をしゃべりたいお客さんもいるので、そういうときは日本語で対応します。
いちばんのカルチャーショックは、お客さんの優しさと根気強さでした。あまり発音やイントネーションを笑うという人はいなかったのと、もたもたしていても、根気づよく待ってくれます。
最初は結構もたもたしていたので、焦らさないでくれてかなりありがたかったです。
副店長は料理が趣味でたまにランチを分けてくれる
次回は英語環境の職場で学んだ、コミュニケーションで大事だと思うことについて紹介します。