前回の記事を書いてから、また服に興味が出だした。
この講演会の参加者は服がテーマなだけあって、おしゃれな人が多く、その人のとっておきの服を着てきていた。
(私もそのつもりだったが、直前にスパゲティーソースをこぼして、着たかった服は着てこれなかった)
私も何かオシャレがしたいと思ったのだが、かといって新しい洋服を見に行こうという気持ちにもなれなかった。
そんなときに手を取ったのが、あきやあさみさんの本だ。
『一年3セットの服で生きる 「制服化」という最高の方法』
タイトルだけだと、いかにもミニマリストっぽいんだけど、
ミニマリストだと生活の効率化やシンプルにすることが目的だけど、あきやさんの本は、好きなものを追求した先にあるのが制服化だったって感じでベクトルが逆。
それから、ファッションの本って、いかにオシャレに見せるかというノウハウを伝えるものが多かったけど、ノウハウ本でもない感じ。
あと一時期はやった「パリジェンヌのクローゼットは10枚しか服がない」的な異文化とかを引き合いにだしてきたものとも違う。
要は服を通じて自分の軸を作る話で、そこがこれまでの本にないところでよかった。
正直、服と向き合うってちょっと億劫で、年齢的に「年相応」の圧も強くて、ちょっとプレッシャーがかかるところがあるんだけど、この本はトコトン服と「楽しく」向き合うっていうスタンスが感じられて、読んでて楽しかった。美容ライターの長田杏奈さんの『美容は自尊心の筋トレ』に近い読後感だった。
自分軸を作るって、真似やノウハウじゃなくて、トコトン自分や相手(ここなら服)を観察して、相手(ブランドやお店の人)に敬意をもって、その対象に対して勝手にジャッジしないことが必要なんだなって思った。
自分のライフスタイルや思考、とたくさんの服から導き出した「制服」は、たとえそれがプチプラであっても、ブランドの服に負けない自信をもたらしてくれるって、夢があるよね。
お金とか知名度とか流行に流されずに自分にしっくりくるものを選べる力があれば、いい生き方ができそう。
それは服を通じて、「納得する」ってことを実感できるからだと思う。
結局「どうせ私なんて」っていじけたり、「これでいいや」って妥協を続けてると、負のスパイラルに入っちゃうから。
ノウハウでもなく、効率化でもない、ファッションを通じた生き方の練習って感じが、今まで読んだことがなくてすごく面白かった。
別にすぐに完璧な制服を一式揃えなくっていいんだな、いますぐ完璧なスタイルを目指さなくっていいんだな、少しずつ自分と仲良くなれたらいいんだなってことも教えてくれた一冊でした。